1号警備(施設警備)の年収相場を徹底解説!平均額・企業規模・年代別に比較

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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1号警備とは、商業施設、公共施設、オフィスビル、病院、教育機関などの建物に常駐し、出入管理や巡回、モニタリングなどを通じて施設内外の安全を確保する職種です。近年では防犯意識の高まりから需要も安定しており、定年後の再就職先としても注目されています。この記事では、1号警備の具体的な仕事内容から平均年収、働き方、キャリアアップの方法まで、わかりやすく解説します。


1号警備の仕事内容と役割

1号警備は、警備業法で定められた4種の警備業務のうちの一つで、「施設警備業務」に該当します。施設に常駐し、次のような任務を担います。

  • 館内・敷地内の巡回業務
  • 出入管理(来訪者や関係者のチェック)
  • 防犯カメラのモニタリング
  • 火災・設備異常の初期対応
  • 緊急時の避難誘導と通報
  • 鍵やカードの管理業務
  • インフォメーションや受付対応(施設により)

これらの業務は日勤・夜勤を含むシフト制で運用されることが一般的で、勤務形態は施設ごとに異なります。日勤では主に人の出入りが多い時間帯の対応が中心となり、夜勤では静的な環境下での防犯監視が中心となります。勤務例としては、8時から17時の通常勤務や、17時から翌朝8時までの夜勤などが一般的です。

また、病院や高層ビルでは特に緊急事態への即時対応が求められることもあり、体力・判断力・冷静さが重要視されます。近年では、女性警備員のニーズも高まっており、更衣室やトイレなどの女性専用エリアの巡回要員として活躍するケースも増えています。


平均年収と年齢・企業規模ごとの収入差

1号警備の年収は、勤務場所や地域、勤務時間帯、雇用形態によって異なりますが、全体の平均としてはおおよそ300万円前後です。夜勤手当や時間外勤務、資格手当などにより、これより高くなる場合もあります。

下記は、年齢ごとの警備員平均年収を一覧にしたものです。

年代平均年収(目安)
20~24歳約320万円
25~29歳約359万円
30~34歳約394万円
35~39歳約382万円
40~44歳約420万円
45~49歳約400万円
50~54歳約386万円
55~59歳約355万円
60~64歳約295万円
65~69歳約249万円
70歳以上約234万円

一般的に、年齢が上がるにつれて管理業務や教育係を担うケースもあり、収入が安定する傾向にあります。ただし60歳以降は再雇用やアルバイト雇用が増え、勤務日数が減ることから、年収もやや減少します。

企業規模による差も明確です。大手警備会社に所属することで昇給や福利厚生の恩恵が得られるため、長期的なキャリアを目指す場合には重視すべきポイントです。


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地域ごとの年収と就業傾向

施設警備員の年収は地域によっても差があり、都市部では給与が高めに設定される傾向があります。これは、勤務先の施設の規模が大きく、また24時間体制で警備を必要とするためです。

地域平均年収(目安)
北海道・東北約305万円
甲信越・北陸約338万円
関東約347万円
関西約329万円
東海約357万円
中国約328万円
四国約301万円
九州・沖縄約314万円

関東・東海エリアではビルの規模や人流が多く、業務の複雑性や頻度も高いため、手当や基本給の水準がやや高く設定されています。一方、地方都市や郊外では比較的落ち着いた勤務内容になることが多く、体力的な負担も少ない環境で働くことが可能です。


警備員の勤務スケジュール例と労働環境

勤務スケジュールの一例を下記に示します。夜勤明けは「明け休み」として休暇が付与されることが一般的です。

日付勤務内容勤務時間
月曜日勤8:00~17:00
火曜夜勤17:00~翌8:00
水曜明け休み終日休み
木曜公休日終日休み
金曜日勤8:00~17:00
土曜夜勤17:00~翌8:00
日曜明け休み終日休み

このように、夜勤のある勤務体制では実働時間が長くなる一方で、明け休みや週休2日制が確保されている場合も多く、ライフスタイルに合わせて調整しやすい働き方が可能です。


資格取得によるキャリアアップと年収向上

警備業界でキャリアを積むためには、資格の取得が非常に有効です。特に以下の資格を取得することで、業務範囲が広がるだけでなく、手当の支給や昇進のチャンスにもつながります。

  • 警備業務検定(1級・2級)
  • 雑踏警備業務検定
  • 施設警備業務検定
  • 貴重品運搬警備業務検定
  • 機械警備業務管理者

機械警備に関わる業務は特に高収入が見込まれ、年収450万円以上を得る例もあります。また、資格を持っていることで配置可能な現場の種類が増え、チームリーダーや現場責任者などへの昇進にも直結します。


まとめ

1号警備は、定年後も働ける安定性と、社会的責任を果たすやりがいの両方を兼ね備えた職業です。働きながら資格取得を進めることで、収入や立場も向上していきます。施設や地域によって働き方が柔軟に選べるため、年齢や経験を問わず、幅広い層に適したキャリアの一つと言えるでしょう。安全を守るという社会的な意義も大きく、今後も高齢化社会や都市化の進展により、その需要はますます高まっていくと予想されます。