警備を掛け持ちするとバレる?実態とリスク、そして正しい対策とは

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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警備の仕事を複数掛け持ちたいけれど「バレたらどうしよう」と不安に思う方は多いのではないでしょうか。本記事では、警備の掛け持ちが発覚する理由や背景、企業側のチェック体制、想定されるリスクまで網羅的に解説します。トラブルを避けながら、上手に副業を行うためのポイントをわかりやすく紹介します。

警備を掛け持ちしているとバレる可能性は?

警備の仕事を掛け持ちしたいという人は増えていますが、同時に「バレたらどうしよう」という不安もつきまといます。基本的に、本人が申告しなければ副業や兼業が即座に明るみに出ることはありません。しかし、いくつかのルートから発覚することもあるため注意が必要です。

バレるきっかけは以下のようなものがあります。

発覚経路内容
雇用保険情報雇用保険に加入していると、ハローワークなどの公的機関を通じて勤務先が判明する場合がある。
税務関連の通知確定申告や住民税の決定通知で本業の勤務先に副業が知られるケースがある。
シフト調整や体調変化無理な掛け持ちによる遅刻・欠勤・勤務中の疲労などから、同僚や上司に気づかれることがある。
業界内のつながり警備業界は企業同士のつながりが強く、担当現場がかぶっていることで情報が漏れることも。

特に税務関連では、本業の会社に届く住民税通知に副業分が加算されていれば、違和感を覚えた経理担当者などが副業の存在に気づく可能性があります。見つかるかどうかの不安を抱えるより、事前にルールを確認し、適切に対応するほうが安心です。


警備を掛け持ちすることによる法的・就業上のリスクとは

警備の掛け持ちは自由な働き方の一つに思えるかもしれませんが、法律や就業規則との関係を無視すると思わぬリスクを抱えることになります。警備業は特に社会的信頼が重視される業種であるため、規律に反する行動が信用問題に発展することもあります。

以下に、主な問題と法的ポイントをまとめます。

リスクの種類内容
労働時間の超過労働基準法では1日8時間、週40時間を超える労働に対して割増賃金が必要であり、適正な管理が求められる。
健康への悪影響長時間労働による慢性的な疲労は集中力を低下させ、警備ミスや事故の要因となる可能性がある。
信頼性の低下過重労働が外見や勤務態度に出ると、警備員としての信頼性が揺らぐリスクが高まる。
警備業法との整合性信用不安があると判断された場合、業務からの排除や資格の見直しを迫られることもある。

また、企業によっては副業を一切禁止している場合もあるため、契約時の誓約内容に違反しないよう注意が必要です。


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掛け持ち勤務を企業がどうやって見抜くのか

企業は警備員の掛け持ち勤務をどのように把握しているのでしょうか。すべての企業が常に調査を行っているわけではありませんが、労働管理や健康維持の観点から一定の監視体制を敷いています。

確認方法説明
契約時の副業確認雇用契約書や面接時に副業の有無を確認する欄を設けていることが多い。
タイムカード・シフト勤務表の異常(深夜→早朝勤務など)や休憩時間の異様な短さから掛け持ちを疑われるケースがある。
健康状態の観察疲労の蓄積が見える従業員にはヒアリングを行い、勤務状況を確認することもある。
定期的な社内チェック社員教育や面談時に副業申告が徹底されているか確認するプロセスがある。

副業を隠していても、体調不良や勤務ミスなどを通じて信頼を損なえば、将来的に配置転換や契約打ち切りなど不利な立場に置かれることになります。


掛け持ちを行う際の注意点と正しい対策

掛け持ちを成功させるには、以下のような準備と管理が欠かせません。無理のない計画のもとで働くことで、トラブルや健康リスクを回避することができます。

注意点対策
体力的負担の調整連続勤務を避け、休息日を週に1回は必ず設けるスケジューリングを行う。
労働時間の管理自身の合算労働時間が法定上限を超えないよう、シフトごとに時間を記録し調整する。
税務処理確定申告を正しく行い、住民税の納付方法を「普通徴収」に切り替えて勤務先に影響を与えないようにする。
契約内容の確認現在の勤務先の就業規則や誓約書に副業禁止条項がないか、事前に再確認する。

また、深夜勤務と早朝勤務を連続で組み込むなど、体に過度な負担をかけるスケジュールは、業務効率だけでなく安全性にも影響を及ぼします。自分自身の健康と信頼を守るためにも、余裕のある勤務設計を心がけましょう。


警備業界における副業容認の実情と今後の動向

近年、副業を前向きに捉える企業も増えてきました。警備業界でも、特に人手不足を背景に柔軟な働き方を導入する企業が現れています。

企業の姿勢具体的な対応例
厳格な企業副業禁止を明記し、違反時には処分対象とする。信頼性と業務効率を最重視する方針。
容認企業事前申請・条件付きでの副業許可。就業時間外や休日に限って容認するケースが多い。
実質容認企業明文化されたルールはないが、労働時間や業務影響がなければ副業を黙認する方針をとることも。

こうした流れの中で、副業に関するガイドラインを整備し始める企業も増加しており、個人の働き方が尊重される環境づくりが少しずつ進んでいます。ただし、制度の有無に関係なく、信頼関係の維持と法令順守は最重要です。


まとめ

警備職における掛け持ちは、収入を補う選択肢として有効ですが、その一方で法律や企業ルールとの兼ね合いが重要になります。何より大切なのは、信頼関係を損なわず、体力的・精神的な無理を避けることです。働くうえで「見つからなければいい」という姿勢ではなく、「持続可能な働き方かどうか」という視点が欠かせません。

法的リスク、健康被害、職場での信用低下を回避するためにも、就業規則を確認し、必要であれば申告を行いましょう。正しい知識を持ち、賢く掛け持ち勤務を行うことが、自身の安全と将来を守る第一歩です。