警備員の無線の使い方は?ポイントも解説

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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警備業務において無線の使用は、迅速かつ正確な情報共有に欠かせない手段です。しかし、無線には独自のルールやマナーが存在し、正しい使い方を理解していないと混乱やトラブルの原因になることもあります。本記事では、警備員としての基本的な無線の使い方や、現場で押さえるべきポイントについて詳しく解説します。

無線の基本構造と種類

使用する無線機のタイプと構成

警備業務で使用される無線機には、簡易無線、特定小電力無線、業務用デジタル無線などがあります。現場の規模や通信距離によって選ばれる無線機のタイプが異なります。

種類特徴
特定小電力無線通信距離が短く、建物内などの狭いエリアでの使用に適している
簡易業務用無線通信距離が広く、屋外の広範囲での連携に向いている
デジタル簡易無線雑音が少なく、秘匿性が高いため機密性の高い業務に適している
IP無線インターネット経由で全国通信が可能。大規模イベントや広域業務で活用される

無線の基本操作と用語

正しい使い方の基本を押さえる

無線機を使用する際は、「聞いてから話す」「簡潔に話す」「敬語を避ける」といったルールがあります。以下の表は、警備員が覚えておくべき基本操作と用語の一覧です。

操作・用語意味
呼出し(コール)相手に話しかけるときの合図。例「〇〇より〇〇へ」
応答(レスポンス)呼びかけに対する返答。「どうぞ」「こちら〇〇です」などが基本
了解内容を理解したことを示す言葉
繰り返し(リピート)聞き取りにくい時などに繰り返すことを依頼する「もう一度お願いします」など
終話(エンド)通話の終了を示す。「以上」や「終わります」が使われる

警備バナー

無線使用時のマナーと注意点

通信トラブルを防ぐための心構え

無線は複数の人が同時に使うため、混線や誤解を避けるためのマナーを守ることが求められます。以下に代表的な注意点を紹介します。

注意点内容
発言は簡潔に長話や雑談は禁止。必要な情報だけを簡潔に伝える
同時通話を避ける相手の通信が終わってから話し始めること
無線の音量管理周囲の音を確認し、音量を適切に調整する
混線・妨害の回避無関係な電波干渉を避けるため、電波環境の確認も必要
秘密保持の意識無線は誰でも聞ける可能性があるため、個人情報や機密情報は控える

実際の現場での活用例

シーン別に見る無線の使い方

警備の現場では、様々な状況で無線が活躍します。以下に代表的な使用例を示します。

シーン無線のやり取り例
入退場管理「正門より後門へ、来客1名あり。どうぞ」
巡回報告「北側エリア異常なし、これより南側へ向かいます。以上」
緊急事態対応「不審者を確認。応援要請、現在位置は南口。至急対応願います」
引継ぎ業務「〇〇担当へ、次の持ち場はA棟1階。無線番号はそのまま使用してください」

無線通信トラブルへの対処法

万一のトラブルにも冷静に対応

無線機のバッテリー切れや通信断が起きた場合には、すぐに対策を講じる必要があります。現場の安全を確保するためにも、以下のような対処法を習慣にしておくことが重要です。

トラブル内容対処法
音が出ない音量・ミュートの確認、バッテリー残量の確認を行う
通信が届かない障害物の位置確認や場所を変えて再通信してみる
雑音がひどい周囲の無線使用状況を確認し、チャンネルを変更する
無線機の故障予備機と交換し、必要に応じて管理担当に報告する

まとめ

警備業務における無線の使用は、単なる会話手段ではなく、緊急時にも迅速に連携をとるための「命綱」とも言える存在です。正しい操作方法やマナーを身につけることで、現場全体の安全性と効率が大きく向上します。これから警備の現場で働く方、またはスキルアップを目指す方は、無線の使い方をしっかりと習得しておきましょう。