PTZカメラとは?特徴と導入時に押さえるべきポイントをわかりやすく解説

防犯
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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広範囲の監視が求められる施設や、ピンポイントでのズーム撮影が必要な現場で注目されているのが「PTZカメラ」です。従来の固定カメラとは異なり、自在に動くことができるこのカメラは、防犯・監視の可能性を大きく広げます。本記事では、PTZカメラの仕組みや特徴、導入時に意識すべきポイントまでを分かりやすく解説します。

PTZカメラとは?

PTZカメラとは、遠隔操作で「パン(左右)」「チルト(上下)」「ズーム(拡大・縮小)」が可能な監視カメラです。1台で広範囲をカバーできるのが最大の特徴です。

機能名内容
パンカメラ本体を左右に動かして広い範囲を撮影する機能
チルト上下方向にカメラを動かして、視野を調整する機能
ズーム被写体に焦点を当てて拡大・縮小できる光学またはデジタル機能

これらの機能を組み合わせることで、死角を減らしながら的確に映像を記録できます。


PTZカメラの主な特徴

PTZカメラには、他の防犯カメラにはない独自の特徴が数多くあります。

特徴項目解説
遠隔操作が可能スマートフォンやPCからのリアルタイム操作が可能
広範囲の撮影が可能1台で複数のカメラ分の範囲をカバーできる
ズームによる詳細確認被写体の顔やナンバープレートなどを拡大して確認できる
自動追尾機能付きモデルあり不審者などを自動で追尾して録画する機能も搭載可能
夜間撮影対応機種も豊富赤外線や高感度センサーによって夜間監視も可能

柔軟な撮影が可能なため、屋外施設、工場、駐車場、商業施設など幅広く活用されています。


PTZカメラのメリットとデメリット

PTZカメラは非常に高機能ですが、すべての場面に適しているわけではありません。導入前にメリットと注意点を把握することが重要です。

メリットデメリット
少ない台数で広範囲をカバー可能複数箇所の監視が1台で可能になる
動きのある対象を追える人や車を動きに合わせて追跡可能
遠隔地からの操作が可能遠方にいてもカメラ制御・映像確認ができる
コスト削減になる場合がある複数の固定カメラを導入するよりも費用を抑えられる可能性
注意点内容
操作に慣れが必要ズームやアングル調整は経験が必要
死角ができるタイミングもある他の方向を向いている間に映らない範囲が発生することも
設置コストがやや高い機能性が高いため、初期投資が大きくなる傾向

使用目的や施設環境に応じて、固定カメラとの併用を検討するのも一つの選択肢です。


PTZカメラの活用シーンと導入ポイント

どのような場面でPTZカメラが力を発揮するのか、代表的な活用シーンと導入時の注意点を紹介します。

活用シーン解説
商業施設・大型スーパー多くの人が出入りする場所での広域監視に最適
駐車場・車両管理車の出入りやナンバープレート確認が可能
倉庫・物流センター製品の保管状況や作業員の動きの把握
公共施設・イベント会場群衆の流れを把握し、不審行動の早期発見ができる
導入時のポイント内容
目的に合った機能選定ズーム重視か自動追尾重視かなどを事前に明確にする
ネットワーク環境の整備IPカメラタイプはWi-Fi・LAN環境が必要
設置位置の検討広範囲を見渡せる高所や死角の少ない場所が理想
他のカメラとの併用検討固定カメラと組み合わせて運用すると死角を減らせる

適切な設置と運用を行うことで、PTZカメラの性能を最大限に活かすことができます。


まとめ

PTZカメラは、パン・チルト・ズームの3つの機能を活かし、1台で広範囲かつ詳細な監視ができる高性能カメラです。遠隔操作や自動追尾といった機能も搭載されており、商業施設や公共空間での活用に非常に適しています。導入にあたっては、使用目的や設置場所、他のカメラとの連携を考慮しながら、最適な運用を計画することが重要です。施設の安全性向上や効率的な監視体制構築のために、PTZカメラは非常に有効な選択肢と言えるでしょう。