事務所荒らしに狙われやすい事務所とは?侵入の手口と防犯対策を解説

防犯
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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事務所荒らしは夜間や休日を狙って侵入し、金品や機密情報を奪う悪質な犯罪です。とくにセキュリティが甘い事務所は格好のターゲットとなりやすく、企業にとっては信用や業務継続に重大な影響を及ぼす恐れがあります。本記事では、事務所荒らしの主な手口と狙われやすい事務所の特徴、そして今日からできる防犯対策について詳しく解説します。

事務所荒らしとは?

企業の財産・情報を狙った窃盗犯罪

事務所荒らしとは、事業所・オフィスに不法侵入し、現金・パソコン・貴重品・機密文書などを盗み出す行為を指します。特に都市部やビルが密集した地域では、夜間や週末に発生するケースが増加傾向にあります。

金銭的な被害だけでなく、機密情報や取引先データの漏洩といった二次被害にも発展するため、企業としては重大なリスクといえるでしょう。

狙われやすい事務所の特徴

特徴説明
無人時間が長い深夜・休日に人の出入りがほとんどないビルやフロアが狙われやすい
防犯設備が未設置または旧式センサーや監視カメラがない、または形骸化していると犯罪の抑止力が下がる
施錠が甘い・窓が無防備勝手口・非常口・窓などからの侵入が簡単にできる構造になっている
外から内部が見えるレイアウト事務所内の金庫や機器の位置が外から目視できると、犯行のターゲットになりやすい
目立たない立地・人通りが少ない裏通りや繁華街のビル2階以上など、夜間に人の目が届かない場所が選ばれる傾向

「まさかうちは大丈夫」と油断していると、そこが一番のスキになってしまいます。

主な侵入手口と犯行パターン

手口説明
施錠破りピッキング・バールによるこじ開け・サムターン回しなどでドアを開ける
窓ガラス破りガラスを割って侵入(とくにトイレや給湯室の小窓が狙われやすい)
合鍵による侵入内部関係者の犯行や、簡単にコピーできる鍵の仕様により合鍵が悪用されるケースも
事務所内の探索と盗難行為金庫や引き出しを片っ端から開けて現金・備品・機器類を持ち出す
設備破壊・情報持ち出しパソコンの持ち去りや、サーバー・外付けHDDなどの機密情報を盗まれるケースもある

これらは数分〜十数分の短時間で実行されることが多く、事前の下見や出入り口の把握が周到に行われている場合もあります。

被害の実例とその影響

被害内容企業にもたらす影響
現金・機器の盗難業務用PCやカメラの紛失、業務機器の再調達にコストがかかる
情報漏洩顧客データ・契約書・営業資料の流出により、信頼を大きく損なう可能性がある
業務の一時停止データ消失やシステム破壊により、業務継続に支障が出るケースも
保険未加入による損害火災保険や動産保険ではカバーしきれない被害で、損失が自己負担になることもある

被害額が小さくても、社会的信頼や従業員の不安感といった「目に見えない損失」が大きな痛手となることも少なくありません。

事務所荒らしへの具体的な対策

対策項目実施内容
施錠強化補助錠の取り付け、サムターン防止カバーの設置などで玄関扉の防御力を高める
窓の防犯防犯ガラス・フィルムの施工、面格子やセンサーライトの設置で侵入を困難にする
監視カメラの導入死角の少ない場所にカメラを設置し、抑止力と記録能力を強化
アラームシステムの設置開錠・振動・人感センサーなどを連動させ、異常時に警報・通知が届く仕組みを導入
オフィスレイアウトの工夫金庫を外から見えない位置に配置し、貴重品は鍵付きキャビネットに収納する
セキュリティ教育の実施社員への施錠意識・不審者対応・退社時のチェックなど、日常の管理レベルも引き上げる

特に「防犯意識のある事務所」は犯人から敬遠されやすく、対策を取っているだけで被害を抑止できるケースが増えています。

まとめ

事務所荒らしは決して他人事ではなく、どの企業でも起こり得るリスクです。とくにセキュリティ対策が甘く、無人になる時間帯があるオフィスは格好のターゲットとなります。

企業として資産と信用を守るためには、日常的な管理と設備面の整備をバランスよく行うことが不可欠です。「被害に遭ってからでは遅い」からこそ、今すぐできる防犯対策から始めてみましょう。