飲食店の防犯カメラを設置するポイントとは?

防犯
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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飲食店における防犯カメラの設置は、盗難やトラブルの抑止だけでなく、従業員の管理や顧客の安全確保にも大きな効果があります。しかし、ただ設置するだけでは十分な効果が得られないこともあります。本記事では、飲食店に防犯カメラを設置する目的や適切な設置場所、選び方のポイントについて分かりやすく解説します。

飲食店に防犯カメラが必要な理由

飲食店は日々多くの人が出入りし、現金や貴重品が扱われる場でもあるため、防犯面でのリスクが存在します。以下のようなトラブルを防ぐ手段として、防犯カメラは重要な役割を果たします。

リスク・問題点防犯カメラによる効果
万引き・金銭トラブル映像記録により証拠が残り、犯人特定や警察対応が可能
店内での暴力・クレーム映像で事実確認ができ、トラブル対応に客観性を持たせられる
従業員の不正・内部問題商品の無断持ち出しや金銭管理の不備を抑止
店舗外の器物破損・迷惑行為夜間や閉店後のトラブルも監視可能

映像があることで、被害の抑止だけでなく、「無実を証明する」ためにも有効に活用できます。


設置場所の選び方とポイント

防犯カメラの効果を最大限に発揮するためには、「どこに設置するか」が非常に重要です。飲食店における代表的な設置ポイントは以下の通りです。

設置場所目的・効果
出入口付近顔認証・出入りの確認。万引き・逃走防止に効果的
レジ周辺金銭授受や従業員の操作確認、金銭トラブルの証拠確保
客席エリアクレーム対応、防犯、マナー違反の記録
厨房(バックヤード)従業員の衛生・作業状況の確認、調理工程の可視化
店舗外(駐車場)車上荒らしや店舗周辺の不審者対策、閉店後の監視に有効

プライバシーに配慮しつつ、死角を作らない配置とすることが重要です。特にレジ周辺と出入口は、防犯効果の高い「必須ポイント」とされています。


カメラの種類と選び方

防犯カメラには多くの種類があり、設置環境や目的に応じて適切な製品を選ぶことが重要です。

カメラの種類特徴向いている設置場所
ドーム型カメラ視認性が低く、威圧感が少ない店内の天井・客席など
バレット型カメラ視野が広く、遠距離まで高画質で記録可能店舗外・駐車場など
赤外線カメラ暗所でも鮮明な映像が撮影可能夜間営業の店・照明の暗い場所
PTZカメラ遠隔操作で画角変更が可能。高機能だが高価広範囲の監視が必要な大型店舗

小規模な店舗ではドーム型や赤外線対応のカメラが、広い店舗や駐車場をカバーしたい場合はバレット型やPTZカメラが向いています。


録画方式と保存期間の考え方

防犯カメラの録画方式と保存期間は、万が一の際の「証拠の残し方」に直結します。

録画方式特徴
常時録画24時間記録し続ける。重要シーンの取り逃しがない
動体検知録画動きがある時だけ録画。容量を節約できる
ネットワーク録画クラウド保存やスマホ連動が可能。遠隔監視に最適

一般的な保存期間は「7〜30日」が目安とされますが、店舗の規模やトラブルの頻度に応じて検討するとよいでしょう。定期的に録画映像を確認し、容量が不足していないかチェックすることも重要です。


設置時の注意点と法律上の配慮

飲食店で防犯カメラを設置する際は、以下のような注意点を守ることが求められます。

  • 従業員への周知が必要
     隠し撮りはトラブルの元になります。設置場所・目的を明確に伝えることが重要です。
  • お客様のプライバシーに配慮
     トイレや更衣室など、プライバシーが侵害される恐れのある場所には絶対に設置しないようにしましょう。
  • 録画映像の管理責任を持つ
     映像データは個人情報に該当することがあるため、保存・削除の管理が求められます。
  • 設置目的の明示
     「防犯カメラ作動中」と掲示することで、心理的な抑止効果が高まります。

正しく設置すれば、トラブルを防ぐだけでなく、信頼される店舗運営にもつながります。


まとめ

飲食店における防犯カメラの設置は、トラブル回避・顧客満足・従業員管理のすべてにおいて有効な対策です。設置場所やカメラの種類、録画方法を的確に選び、プライバシーへの配慮を怠らなければ、安心で信頼性の高い店舗環境を築くことができます。

「万が一に備える」のではなく、「未然に防ぐ」ために、今こそ防犯カメラの導入を検討してみてはいかがでしょうか。