3号警備(運搬警備)の年収を徹底解説!仕事内容や待遇、収入アップの方法について紹介

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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3号警備(運搬警備)は、現金や貴重品を安全に運ぶ社会的に重要な仕事です。しかし、その実際の年収やキャリアの将来性についてはあまり知られていません。本記事では、3号警備の年収相場から、年収を上げるための方法、適性まで詳しくご紹介します。

3号警備(運搬警備)とは何か?

3号警備は、貴重品や現金などの運搬を専門とする警備業務です。警備業法に基づく4区分のうちのひとつで、一般的な施設警備や交通誘導とは異なり、リスクのある物資を安全に輸送する責任を担います。主に2人1組で行動し、1人が車両の運転を担当、もう1人が物品の搬出入と周囲の警戒を担います。

業務には、防弾チョッキ、GPS付き車両、無線機器など高度な設備が使用され、実行時にはミスが許されません。作業現場はATM、金融機関、企業本社など多岐にわたり、機密性の高い情報や現金を扱うため、業務には非常に高い信頼性が求められます。

また、移動中も常に警戒が必要であり、状況判断力や冷静な対応力も必要とされます。こうした特性により、3号警備は警備業務の中でも特に専門性が高く、評価されやすい分野と言えるでしょう。


3号警備の平均年収と相場

全国的な統計や求人情報を基にすると、3号警備員の平均年収は約300万〜400万円です。ただし、地域差や勤務形態によってその金額は大きく変動します。

条件年収の目安
未経験・新卒約270万円〜320万円
経験3年未満約300万円〜350万円
経験5年以上(正社員)約350万円〜450万円
夜勤あり・手当多め約400万円〜500万円
管理職(リーダー以上)約450万円〜600万円

都市部では交通費や手当の影響で高め、地方ではその分夜勤や休日出勤による調整が多くみられます。アルバイトでもフルタイム勤務であれば、年収300万円に達するケースもあり、一定の安定性がある職種といえます。


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3号警備の年収に影響する要素とは?

年収の構成は「基本給」+「手当」+「賞与(ある場合)」で成り立っています。とくに夜勤手当や残業代、休日出勤手当が大きく影響するため、勤務スケジュールや会社の制度が収入に直結します。

以下は、主な収入に影響を与える項目です。

要素内容例
勤務形態夜勤・土日勤務があると手当が増える
地域性都市部は基本給が高め
経験・勤続年数年数に応じて昇給・昇格が可能
会社規模大手ほど福利厚生や手当が充実している
資格の有無資格手当が支給され、昇進にも有利

これらの要素を理解し、戦略的に勤務や転職を考えることで、年収を効率的に向上させることができます。


3号警備で年収を上げる方法とは?

年収を上げるには、資格取得と社内でのキャリア形成が効果的です。以下のような資格が、昇給・昇進のきっかけとなります。

資格名特徴・利点
警備員指導教育責任者教育担当として指導的役割を担える
貴重品運搬警備業務2級実務能力の証明となり、手当や信頼が増す
自衛消防技術者災害対策要員としての能力を評価されやすい

また、実績を重ねて評価されれば、リーダーやエリアマネージャーなど管理職に昇進でき、役職手当が上乗せされます。例えば、月に3万円の役職手当が支給されれば、年間36万円の年収アップに繋がります。


3号警備の仕事内容とそのやりがい

日々の業務は単調に見えても、緊張感と責任を伴う重要な仕事です。特に現金輸送では、警察や顧客の信頼を預かる存在であることから、その重みは大きいものがあります。業務を無事に終えた時の達成感や、感謝される場面ではやりがいを感じることができます。

また、同じ場所にとどまらず日々異なるルートを移動するため、職場環境の変化に富んでおり、働きながらリフレッシュできる要素も含まれています。さらに、仲間と連携して一つの任務を成し遂げるというチームワークも魅力の一つです。


3号警備に向いている人とは?

3号警備は、以下のような特性を持つ人に適しています。

  • 細かいところに気づける慎重な性格
  • 協調性があり、チームでの行動が得意
  • 長時間の移動や変化に対して柔軟に対応できる
  • 安定した環境を求める人

この仕事は、身体的なタフさよりも、精神的な安定感や信頼性が重視されます。また、幅広い年齢層が活躍しており、再就職や転職先として選ばれることも多いのが特徴です。


3号警備のキャリア形成と将来性

警備業界では人材不足と高齢化が進んでおり、若年層の育成が重要視されています。3号警備に長く従事することで、指導職や管理職へのキャリアアップが現実的なルートとなります。

キャリア段階役割・特徴
一般警備員実務中心。現場での経験を積む
班長・サブリーダーメンバー管理や教育指導。社内評価が昇進に直結
責任者・統括職拠点全体の運営や顧客対応。高年収も可能

今後は、AIやITを活用したセキュリティ輸送の効率化が進む一方で、現場での「人の目」「人の判断」が依然として不可欠です。語学力やITリテラシーを備えた人材には、国際的な案件や技術系の警備にも進出する道が開けています。


女性や高齢者の活躍も期待される業務

3号警備の現場では、性別や年齢に関係なく、さまざまな人材が活躍しています。短時間勤務制度や時短シフトの導入により、女性も働きやすい環境が整っています。体力的な負担が比較的少ない運搬業務であれば、60代〜70代でも現役として活躍することが可能です。

実際に、再就職や副業として3号警備を選ぶ高齢者も増えており、年金との両立や社会参加の手段として注目されています。今後はさらに多様な人材が受け入れられる体制が整い、警備業界の裾野が広がっていくでしょう。


まとめ

3号警備(運搬警備)は、責任と信頼を担う重要な仕事です。平均年収は300万円〜400万円ですが、資格や役職によって500万円以上も十分に可能です。業務の性質上、精神的な安定性とチーム力が求められますが、その分やりがいや社会的意義も大きい職種です。

また、キャリアパスが明確で、男女問わず幅広い年齢層が働ける点も魅力です。将来的には、より高度なスキルや専門性が評価されるようになり、自身の努力次第で高い報酬と地位を得ることもできます。

安定した生活と誇りある仕事を求める方にとって、3号警備は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。