交通警備のやり方とは?交通整理との違いは?

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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工事現場や駐車場、イベント会場などで見かける交通警備員。安全な通行を守るために欠かせない存在ですが、「交通整理」との違いをご存じでしょうか?また、実際に交通警備はどのように行われているのでしょうか?この記事では、交通警備の基本的なやり方や、交通整理との明確な違いについてわかりやすく解説します。

交通警備とは?

交通警備とは、主に車両や歩行者の誘導を通じて、事故の防止と円滑な通行を図る警備業務です。建設現場、駐車場、イベント会場などでよく見られる警備形態です。

項目内容
活動場所工事現場、商業施設の出入口、交通量の多い交差点など
対象車両、歩行者
主な目的事故防止、安全確保、交通の円滑化
必須要件警備業法に基づいた新任教育(20時間以上)の受講

交通警備は、警察権限のない「民間の安全確保」業務として、法律の範囲内で行われています。


交通整理との違いとは?

交通警備と混同されやすいのが「交通整理」です。似ているようで実は法的にまったく異なる概念です。

比較項目交通警備交通整理
定義民間業者による安全誘導警察官などが道路交通法に基づいて行う指示
権限直接的な交通規制権限はなし停止・進行を法的に命令できる
対象者協力を“お願い”する立場法的に従わせることが可能
実施主体警備会社・民間警察官、交通巡視員、指定公務員など

交通警備員は法的な強制力を持たないため、ドライバーや歩行者への「協力依頼」が前提となります。


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交通警備の基本的なやり方

交通警備には、状況に応じた技術と安全配慮が必要です。以下は、現場での基本的な手順です。

現場の安全確認と配置

警備員は業務開始前に現場の地形・交通量・死角などを確認し、最適な配置を決定します。また、必要に応じて標識やコーンの設置を行います。


合図の出し方

動作は大きく、分かりやすくすることが基本です。手旗や誘導灯を使い、車両に「進行」「停止」「徐行」などを示します。夜間や悪天候では視認性を高める工夫も必要です。


歩行者と車両のバランス誘導

歩行者と車両が交錯する場所では、どちらにも注意を払いながら、円滑な流れを意識して誘導します。安全が最優先であり、急かしたり強引に進ませることは厳禁です。


無線や声かけでの連携

複数人で警備する現場では、無線での連携や声かけによる状況共有が重要です。全体の安全を見守る意識が求められます。


交通警備員に求められるスキル・心構え

交通警備は「誰でもできそう」と思われがちですが、安全を預かる責任ある仕事です。

必要な力内容
判断力突発的な事態に即座に対応する冷静さ
観察力周囲の動きや異変に敏感に気づける力
体力・集中力立ち仕事が多く、暑さ寒さへの対応も必要
コミュニケーション力ドライバーや歩行者との柔らかい対応が求められる
礼節丁寧な挨拶や受け答えで現場の印象を左右することもある

交通警備員は、現場の「顔」として安全・安心の信頼を支える存在です。


まとめ

交通警備と交通整理は、役割も法的立場も異なるものです。交通警備は警備会社が行う“民間の安全活動”であり、事故を未然に防ぐための重要な仕事です。的確な誘導と丁寧な対応が、現場全体の安全と円滑な運営を支えています。今後、より多くの現場で交通警備のニーズは高まると予想されます。現場で活躍するためにも、基本的なやり方や心構えをしっかり理解しておきましょう。