施設警備員の巡回業務は、施設内外の安全を確保し、利用者が安心して過ごせる環境を提供するための重要な役割を担っています。本記事では、巡回業務の目的や具体的な内容、未経験者が業務を遂行する際のポイントについて詳しく解説します。
巡回業務とは?
巡回業務とは、警備対象施設の敷地内外を決められた時間やルートに従って歩きながら、異常の有無を確認する業務です。警備員が目視や聴覚、状況判断により、安全を確認し、問題があれば迅速に報告・対応します。
項目 | 内容 |
---|---|
巡回の目的 | 防犯・防災・事故防止・施設内の秩序維持 |
巡回の種類 | 定時巡回(決まった時間)、不定時巡回(ランダム)、特別巡回(通報後など) |
巡回の頻度 | 施設の規模や状況に応じて1日数回~24時間体制で実施 |
使用する設備 | 巡回時計、無線機、防犯ライト、防災設備チェックリストなど |
主な巡回ポイント | 出入口、非常口、駐車場、階段、機械室、トイレ、屋上、倉庫など |
巡回業務の具体的な内容
巡回業務は、ただ歩くだけではなく、観察力・判断力が問われます。以下は具体的な業務内容です。
1. 防犯チェック
施設内に不審者や不審物がないかを確認します。ゴミ箱やベンチの裏、非常口などの死角は特に注意が必要です。また、施錠の確認も行い、開けっ放しの扉があれば速やかに報告・対処します。
2. 防災点検
火災報知器、消火器、防火扉などの防災設備が正常に設置・作動しているかを確認します。異常がある場合は記録し、管轄部署に連絡します。
3. 建物・設備の異常確認
天井や床の破損、水漏れ、エアコンの異常音など、施設の物理的な異常を発見することも巡回業務の一環です。早期発見により事故やトラブルを未然に防げます。
4. 利用者への対応
巡回中、施設利用者から声をかけられることもあります。案内や簡単な質問への対応、トラブル発生時の初期対応も警備員の重要な役目です。
巡回業務のポイントと注意点
巡回業務を行ううえで、押さえておくべきポイントと注意点は以下の通りです。
ポイント・注意点 | 説明 |
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一定のリズムを避ける | 不審者に巡回ルートを把握されないように、時間やルートに変化を持たせる |
声掛け・報告を徹底 | 不審者には声掛け、異常は上司や関係部門に必ず報告する |
観察力を磨く | 小さな異常も見逃さないために、常に周囲を意識して観察する |
記録を残す | 巡回日誌やチェックリストに異常の有無を記録し、後日確認や報告に備える |
安全第一で行動 | 無理な対応はせず、必要であれば応援を要請する。特に深夜の巡回では安全を最優先とする |
巡回業務は未経験でもできる?
巡回業務は警備業務の基本であり、未経験者でもスタートしやすい職務です。新人研修でルールやマナー、トラブル時の対応などを学び、現場では先輩の指導を受けながら業務に慣れていくことが可能です。
以下のようなスキルがあれば、よりスムーズに業務に取り組めます。
役立つスキル・資質 | 理由 |
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コミュニケーション力 | 利用者対応や連携時に必要 |
観察力・注意力 | 異常の早期発見に直結 |
体力・持久力 | 長時間の巡回に耐える体力が必要 |
誠実さ・責任感 | ミスを防ぐためにも真面目な姿勢が重要 |
資格(例:施設警備2級) | スキルアップやキャリア形成に有利 |
まとめ
施設警備員の巡回業務は、施設の安全を守るうえで欠かせない重要な仕事です。目立たないながらも、毎日の積み重ねが利用者の安心につながります。未経験でも始めやすく、経験を重ねることで専門性を深めることも可能です。今後、警備業界への就職を考えている方や、施設警備に関心のある方は、まずこの巡回業務の理解から始めてみてはいかがでしょうか。