施設警備やイベント警備の現場でよく耳にする「立哨警備」。これは読んで字のごとく「立ったまま警備を行う」業務形態を指します。本記事では、立哨警備とは何かをはじめ、似た業務である座哨警備との違いや、実際の仕事内容、きついと言われる理由とその対策について詳しく解説します。
立哨警備とは?基本の意味と役割
立哨警備の定義
立哨(りっしょう)警備とは、指定された警備場所で警備員が立ったまま、出入りの監視や不審者の確認を行う業務です。特にビルの出入り口や駐車場、イベント会場のゲート前など、短時間でも多くの人が通行する場所で重要な役割を果たします。
立哨警備の主な目的
- 不審者の抑止効果(威圧感による心理的抑制)
- 入退場者の確認・誘導
- 緊急時の対応準備
立っている姿勢そのものが警備としての存在感を与え、防犯・誘導の機能を果たしています。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 指定位置で立ったまま警備を行う業務形態 |
主な配置場所 | ビル出入口、駐車場、商業施設、イベントゲートなど |
目的 | 抑止効果、監視、誘導、迅速な対応のための準備 |
座哨警備との違いとは?
座哨警備の概要
座哨(ざっしょう)警備は、警備員が座った状態で警備を行う業務形態です。ビルの警備室内、監視カメラのモニター前、施設の受付横などが主な配置場所で、長時間にわたり一定の業務を継続する際に用いられます。
立哨と座哨の比較
項目 | 立哨警備 | 座哨警備 |
---|---|---|
姿勢 | 立ったまま | 座ったまま |
主な業務内容 | 出入口監視、来訪者対応、誘導、抑止など | モニター監視、受付、通報対応など |
配置場所 | ビル入口、施設周辺、イベント会場など | 警備室内、監視室、受付カウンターなど |
身体的負担 | 足腰に負担がかかる | 姿勢的には楽だが長時間だと集中力が低下する可能性あり |
立哨は動きが少ない中での体力的な負荷が大きく、座哨は姿勢的には楽でも業務集中が必要なため、どちらも一長一短があります。
立哨警備の仕事内容と業務例
主な業務内容
- 来訪者対応
訪問者への声かけ、入館証の確認、来館目的の聞き取り - 不審者・不審物の監視
異常な行動を取る人物の把握、放置物への注意など - 誘導・案内業務
車両の進入誘導や、来場者の順路説明など - 緊急時対応
火災報知、急病人発生、トラブル対応の第一報を行う
実際の現場例
- 商業施設:来館者が多く、人の流れに目を配り続ける
- 駐車場:車の出入りに注意を払いつつ、不正駐車の確認も行う
- 学校や病院:関係者以外の出入りを防ぐために、立ち位置や視線の使い方が重視される
立哨警備はきつい?その理由と対策
きついとされる理由
- 長時間立ちっぱなし
休憩が取れない時間帯もあり、足腰に疲労が蓄積 - 気候の影響を受けやすい
屋外では夏の高温・冬の寒風にさらされることもある - 精神的なプレッシャー
常に周囲を観察する集中力が求められ、不審者対応などで緊張状態が続く
理由項目 | 内容 |
---|---|
身体的疲労 | 長時間の立位姿勢で足・腰への負担が大きい |
外的要因 | 雨・雪・猛暑・強風など、天候の変化に左右されやすい |
精神的負担 | トラブルや不審者への対応で常に注意を張り巡らせる必要がある |
きつさへの対策と工夫
- 定期的な交代勤務の導入
長時間同じ場所に立ち続けることを避けるため、持ち場を定期的にローテーション - インソール・サポーターの活用
足腰への負担を軽減するため、専用の靴やサポートグッズを使う - 天候対策の徹底
夏は冷却タオルや空調服、冬は防寒具やカイロなどの携帯が効果的 - 事前研修とイメージトレーニング
業務内容を理解し、不安を減らすことで心身の負担を軽減
立哨警備が向いている人の特徴
- 集中力を維持できる人
長時間周囲に目を配る必要があるため、観察力が重要です - 体力に自信がある人
立ち仕事が多く、屋外勤務も含まれるため、一定の体力は必須 - 真面目で几帳面な性格
ルールを守りながら慎重に業務を遂行できる人が求められます
まとめ
立哨警備は、施設や地域の「安全の最前線」で重要な役割を果たす仕事です。座哨警備との違いを理解し、仕事内容や負担についても知ることで、自分に適した働き方を選ぶヒントになります。しっかりとした対策を講じれば、きつさを和らげながらやりがいを持って働くことができるでしょう。