警備員はいらないって本当?それとも必要?

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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「警備員はいらないのではないか?」という声を時折耳にします。監視カメラや最新のセキュリティシステムの普及により、警備員の必要性を疑問視する人が増えてきているのも事実です。しかし、現場の実態やトラブル対応、予防の観点から見れば、警備員の果たしている役割はまだまだ大きなものがあります。本記事では、警備員の必要性について改めて整理し、その役割と価値について分かりやすく解説します。

「警備員はいらない」と言われる背景とは?

警備員が「不要」と見なされる背景には、社会的な認識の変化や技術の進化があります。ただし、それは現場の実情とは必ずしも一致しません。

見方背景
技術の進化監視カメラやセンサーで代替できると思われている
コスト削減意識警備員の人件費を削りたい企業の意向
非接触志向の高まり人と関わらない警備のニーズが増加している
目に見える成果が少ないトラブルが「起きない」ことで価値が見えにくい

このような要因が、警備員の存在価値を過小評価させる原因となっています。


実際の現場での警備員の役割とは?

実際には、警備員の存在があるからこそ安心できる環境が成り立っているケースが多くあります。トラブルが起きる前に未然に防ぐ「抑止力」としての役割が極めて重要です。

警備の役割内容
抑止効果制服姿で立っているだけで、不審者や迷惑行為を防ぐ効果がある
緊急時対応火災・事故・トラブル発生時に、初動対応を行い被害拡大を防止
案内・誘導イベントや施設利用者への的確な案内で混乱を回避
安全確認定期巡回による異常の早期発見でリスク低減

これらの業務は、AIや機械では代替が難しい「人の判断」と「柔軟な対応力」が求められる領域です。


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監視カメラと警備員の違いとは?補完関係に注目

よく引き合いに出されるのが「監視カメラで代用できるのでは?」という意見です。しかし、監視カメラと警備員は役割が大きく異なります。

項目監視カメラ警備員
設置型か可動型か固定人の動きで対応可
状況の認識映像のみ音声・表情・行動まで察知
緊急対応記録のみ即座に対応可能
抑止力間接的直接的な存在感による効果あり

つまり、監視カメラはあくまで「記録」や「証拠」を残すツールであり、現場でその場の状況を判断し行動できるのは、やはり人間の警備員です。


警備員が必要不可欠とされる場面とは?

警備員が特に重要とされる場面は多数あります。その代表例を以下に示します。

シーン必要とされる理由
商業施設万引きやトラブルの抑止、来客の安全確保
工事現場交通誘導や事故防止のための立哨業務
イベント会場群集のコントロール、安全な誘導
医療機関・学校外部からの不審者対策、非常時対応

こうした場面では、警備員の「即応力」や「存在感」が不可欠な安全資源となっています。


まとめ

「警備員はいらない」という見方は、警備の価値が見えづらいことからくる誤解です。実際には、安心と安全を維持するための“見えない貢献”をしており、その存在が多くのトラブルを未然に防いでいます。機械やシステムではカバーしきれない「人間らしい対応」が求められる今、警備員の役割はこれからも変わらず必要とされ続けるでしょう。