輸送警備員の仕事内容や年収とは?現場で求められるスキルとやりがいを解説

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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現金や貴金属、美術品などの高価な物品を安全に届ける「輸送警備員」。一般的な警備職とは異なる特殊な業務内容や高い責任性が求められる職種です。本記事では、輸送警備員の具体的な仕事内容から年収、求められるスキルや働く上での注意点まで、詳しく解説します。

輸送警備員とはどんな仕事?

貴重品や重要物資の安全輸送を担う

輸送警備員とは、現金、証券、貴金属、美術品、機密書類など、貴重な資産や情報を目的地まで安全に届ける職務を担う専門職です。一般の配送業とは異なり、強盗や盗難などのリスクを想定し、武装や警戒態勢を整えた状態での業務遂行が求められます。

主に、現金輸送車や特殊車両を用い、金融機関や企業、公共機関を訪問して物品の受け渡しを行います。

チーム制での行動が基本

輸送警備は原則として2人以上のチームで行動します。1人が車両内で待機し、もう1人が受け渡しや周辺警戒を担当するなど、役割分担を徹底した行動が求められます。常に緊張感のある状況下で、正確かつ迅速な対応が不可欠です。

輸送警備員の1日のスケジュール例

時間帯内容
8:00出社・朝礼・装備確認
9:00出発・1件目の訪問先に向かう
10:00~12:00金融機関や企業で現金の受け渡し
12:30昼休憩(車両内または休憩所)
13:00~15:00追加の輸送・美術品や機密書類の引き取り
16:00帰社・装備点検・業務報告書作成
17:00業務終了・退社

日によって配送ルートや物品の種類が変わるため、柔軟な対応力が求められる職種です。

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輸送警備員の年収・給与事情

平均年収は300万円~450万円程度

輸送警備員の年収は、勤務先や経験年数、勤務地域によって異なりますが、全国平均ではおおよそ300万円~450万円程度となっています。月給換算で20万円前後、各種手当や残業代を含めて安定した収入が見込まれます。

夜勤や休日出勤が発生する場合は、手当が支給されるため、実質的な年収は500万円前後になるケースもあります。

経験・資格によって昇給も可能

輸送警備は責任の重い職務であるため、継続的な勤務や現場経験を積むことで昇給や役職登用が見込めます。また、警備業務検定や運行管理者資格、普通自動車二種免許などの取得によっても給与アップが期待できます。

経験年数想定月給想定年収
新人~1年目18万円~22万円約280万~330万円
3年目以降23万円~26万円約350万~400万円
5年目以上27万円以上約420万~500万円以上

輸送警備員に求められるスキルと資質

高い集中力と冷静さ

輸送警備員は、常に犯罪リスクと隣り合わせの業務環境にあります。そのため、どんな状況でも冷静に判断し、適切な行動を取る力が重要です。とくに人の出入りが多い都市部では、周囲への警戒を怠らない姿勢が求められます。

協調性とチームワーク

基本的に2人以上で行動するため、コミュニケーション能力やチームでの連携力が重要です。業務中の無駄な私語は控えつつも、状況に応じた指示・報告の正確さが安全輸送に直結します。

健康管理と体力

重い荷物を運ぶ機会や長時間の緊張を強いられる場面もあるため、一定の体力や健康状態の維持も欠かせません。定期的な健康診断やトレーニングが推奨されます。

働くメリットと課題

項目メリット課題
安定性大手企業や警備会社での雇用が多く、雇用が安定拘束時間が長いこともある
スキル防犯や警備知識が身につく専門性が高いため転職の選択肢が狭まる可能性
給与手当が豊富で努力次第で収入が増える初年度は給与が抑えられているケースもある

どんな人に向いている仕事か?

  • 安定した収入を求めたい人
  • 責任感の強い人、几帳面な性格の人
  • セキュリティや防犯に興味がある人
  • チームでの連携を大切にできる人
  • 地道な作業をコツコツ積み上げるのが得意な人

まとめ

輸送警備員は、単なる運搬作業ではなく、「高価な資産を安全に届ける」という重大な使命を持った職業です。責任が重い分、やりがいや社会的意義も大きく、専門性を活かして長く活躍することができる仕事です。

年収面でも安定しており、資格や経験によってキャリアアップも可能です。責任感が強く、冷静に判断できる力を持つ人には、非常に向いている職業といえるでしょう。