警備員指導教育責任者になるには?資格取得方法と収入アップの可能性を解説

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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警備業界でキャリアアップを目指すなら、「警備員指導教育責任者」は大きなステップになります。この資格を持つことで、教育担当として重要な役割を担い、現場以上のポジションへ進むことが可能です。本記事では、警備員指導教育責任者になるための条件、必要な手続き、取得後の収入や役割の変化についてわかりやすく解説します。

警備員指導教育責任者とは?

資格の定義と役割

警備員指導教育責任者とは、警備業法に基づき、警備員に対して法定教育(新任教育・現任教育など)を実施する責任を持つ資格者です。警備業を営む事業者は、警備業務の種別ごとにこの資格者を配置することが義務付けられており、事業運営に不可欠な存在とされています。

活動内容の具体例

  • 警備員の新任教育(20時間以上)
  • 現任警備員の定期教育(8時間以上/年)
  • 教育カリキュラムや指導マニュアルの作成
  • 警備業法や労働関連法の研修講義
  • 教育記録の保管と報告義務の履行

資格を取得するための条件

条件項目内容
実務経験警備業務における実務経験が通算3年以上必要
教育講習の受講警備員指導教育責任者講習(種別ごと)を受講・修了すること
欠格事由なし暴力団関係者・前科持ちなどの法定欠格事由に該当しないこと
年齢制限満18歳以上であること(未成年は不可)

この資格は1号業務(施設警備)・2号業務(交通誘導等)・3号業務(輸送警備)・4号業務(身辺警護)ごとに取得する必要があり、それぞれに対応した講習を受けなければなりません。

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講習の内容と受講の流れ

講習期間とスケジュール

警備員指導教育責任者講習は、都道府県公安委員会が認定する警備業協会等で実施されています。通常は3日間程度のカリキュラムで、法令知識・教育手法・倫理指導などが中心となります。

項目内容
講習日数約3日間(業務種別によって異なる)
カリキュラム警備業法・教育技法・事故対応・労働法等
講習形式座学中心・グループワークや模擬講義を含むことも
修了試験最終日に筆記試験あり(実務的な内容中心)

合格後は都道府県公安委員会に申請し、指導教育責任者証が交付されます。

警備員指導教育責任者の収入は上がる?

ポジションの昇格

この資格を取得することで、現場警備員から教育担当・本社勤務・管理職候補へのキャリアパスが広がります。中小警備会社では、事業所責任者や支社長などの管理職に昇進するきっかけにもなります。

月給・年収の上昇例

実務と資格の掛け合わせにより、収入が上がるケースが多くあります。以下は一例です。

役職/資格有無月収目安年収目安
一般警備員(無資格)約20万~25万円約280万~350万円
指導教育責任者約28万~35万円約400万~500万円以上

会社によっては、資格手当や教育担当手当として毎月1万円~3万円を上乗せして支給するケースもあります。

資格取得のメリットと注意点

メリット項目内容
キャリアアップが可能教育担当・管理職への昇格に直結する
賃金上昇につながる資格手当・職務手当が支給されることが多い
会社からの評価が高まる必置資格であり、保有者の重要度が高い
定年後も働きやすくなる指導役として現場を離れて活躍できるチャンスがある
注意点内容
業務責任が増す教育実施の責任、報告義務、ミスへの対応が求められる
複数業務の資格は別取得が必要1号・2号など業務別に講習を受けなければならない
定期的な法令知識の更新法改正に伴う知識のアップデートが欠かせない

取得を目指すべきタイミングとは?

  • 警備業界で3年以上の実務経験がある
  • 現場作業からステップアップしたい
  • 教育に関心があり、後進育成に関わりたい
  • 定年後も業界で働き続けたい

こうしたタイミングでの資格取得は、キャリアの転機となります。とくに40代以降で体力的に現場が厳しくなってきた方にとっては、長く働くための強力な武器となるでしょう。

まとめ

警備員指導教育責任者は、警備業界における「教育の要」となる存在です。資格取得によって、収入の増加だけでなく、役職昇進や業務の幅が広がるなど、多くのキャリアチャンスが開けます。

必要な実務経験と講習を経て、警備業界でさらなる高みを目指す一歩として、この資格は非常に価値ある選択肢といえるでしょう。今後も安定需要が見込まれる警備業界で、教育者としての新たなキャリアを築いてみませんか?