企業や学校、工場、施設などの入口で見かける「守衛」。彼らの仕事は、ただ立っているだけではありません。実は多岐にわたる業務と責任を担い、安全と秩序を守る重要な役割を果たしています。本記事では、守衛の具体的な仕事内容、必要なスキル、年収や勤務形態までを詳しく解説します。
守衛とはどんな仕事か?
守衛の基本的な定義
守衛とは、企業・工場・公共施設などの出入り口に常駐し、来訪者の管理、敷地内の安全確認、不審者の排除などを担当する警備業務の一種です。主に「施設警備(1号業務)」に該当し、建物や敷地を対象に人や物の出入りをチェックし、秩序を維持することが目的とされます。
守衛と警備員の違い
一般に「警備員」と呼ばれる人々の中で、守衛は施設に常駐し、比較的固定された環境で働くことが特徴です。対して、交通誘導やイベント警備などの警備員は、現場ごとに移動するケースが多く、勤務スタイルに違いがあります。
守衛の主な仕事内容
業務カテゴリ | 具体的な仕事内容 |
---|---|
出入管理 | 来訪者の受付・記録、従業員の出入り確認、通行証の確認 |
巡回警備 | 施設内・周囲の定期巡回、防犯・防災設備のチェック |
開閉館業務 | 施設の施錠・開錠、門やゲートの開閉作業 |
鍵・設備管理 | 鍵の貸出管理、設備の点検報告 |
トラブル対応 | 不審者対応、緊急時の連絡、初期消火・救急対応 |
電話・来客対応 | インターホンや電話での対応、宅配業者・訪問者への案内 |
日勤と夜勤で仕事内容に若干の違いがありますが、いずれも「施設の安全を守る」という点では共通しています。
守衛の勤務スタイルとシフト体制
守衛は24時間体制で施設を守るため、日勤・夜勤・宿直などの交代制勤務が一般的です。長時間の待機や仮眠を含む勤務形態となるため、体調管理と生活リズムの維持が重要です。
勤務形態 | 内容 |
---|---|
日勤 | 8:00~17:00など、日中のみの勤務 |
夜勤 | 17:00~翌8:00など、夜間のみの勤務 |
宿直 | 24時間勤務で途中仮眠が含まれる場合 |
シフト制 | 日勤・夜勤を交互に担当 |
特に工場やオフィスビルでは、365日体制で守衛が配置されるため、ローテーション勤務が基本となります。
守衛の年収・給与水準はどれくらい?
平均的な年収の目安
守衛の年収は勤務先や地域、勤務時間数によって異なりますが、おおよそ以下のような水準です。
勤務形態 | 月収の目安 | 年収の目安 |
---|---|---|
フルタイム(日勤) | 約20万~25万円 | 約280万~350万円程度 |
夜勤・宿直あり | 約25万~30万円 | 約350万~420万円程度 |
契約・パート | 時給1,100円~ | 約150万~250万円(勤務日数による) |
夜勤・宿直を含むと、夜間手当や深夜割増が加算され、年収ベースでは上昇傾向にあります。
年齢・経験での昇給は少なめ
守衛の給与体系は比較的フラットで、年齢や経験による昇給はあまり多くありません。そのため、キャリアアップを目指すなら「警備員指導教育責任者」などの資格取得や、管理職登用を狙うことが有効です。
守衛の仕事に向いている人の特徴
- 人と接するのが苦ではない
- 冷静な判断力と観察力がある
- 長時間の勤務や夜勤に耐えられる体力がある
- 地道な作業でも責任感を持って取り組める
- コミュニケーションと礼儀を大切にできる
制服を着用し、会社や施設の「顔」としての役割を担うため、見た目の清潔感や丁寧な言葉遣いも重要な要素です。
守衛の仕事で気をつけたいこと
- 仮眠時間が十分に確保されない勤務では、体調を崩しやすい
- 深夜勤務による生活リズムの乱れに注意
- 単独勤務が多く、孤独を感じやすい面もある
- 警備対象施設によっては緊張感が求められることもある
防災対応や不審者対応など、万が一の場面では迅速で的確な行動が必要です。日頃の訓練やマニュアル確認が欠かせません。
まとめ
守衛の仕事は、出入り管理や巡回だけでなく、施設の安全を維持するための幅広い業務を担う重要な職種です。給与水準は比較的安定しており、夜勤手当などを含めると一定の収入も期待できます。
責任感と安定志向を持つ方にとっては、長く働ける職種でもあります。施設の「見えない支え」として、静かに安心を守る守衛の役割は、社会にとって必要不可欠な存在と言えるでしょう。