警備員になるための訓練とは?研修内容と押さえておきたいポイントを解説

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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警備員として働くには、誰でもすぐに現場に出られるわけではありません。警備業法に基づき、就業前には必ず「新任教育」という訓練が義務付けられています。本記事では、警備員になるために受ける訓練の内容や日数、実際の研修で求められる姿勢や心構えについて詳しく解説します。これから警備業界を目指す方は必見です。

警備員になるためには訓練が必要

警備業法に基づく教育制度

警備員として現場に出る前には、必ず「法定教育」を受ける必要があります。これは、警備業法第21条に基づいて定められた義務であり、業務に必要な知識・技能を習得するためのものです。

教育は「新任教育(新しく警備員になる人向け)」と「現任教育(すでに警備員として働いている人向け)」に分かれており、新任教育は未経験者でも安心して現場に出られるよう、基本から丁寧に指導されます。

新任教育の基本概要

教育区分内容
教育の対象者新たに警備業務に就く警備員全員
教育の実施者雇用主となる警備会社
教育時間合計20時間以上(法定)
教育の内容業法・業務知識・緊急対応・接遇マナーなど
実施時期就業前に必ず実施(実施せずに現場に出るのは違法)

教育時間は20時間以上とされており、基本的に3日間前後に分けて実施されるケースが多くなっています。

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新任教育で学ぶ主な内容

教育内容概要
警備業法の理解警備員の義務、禁止行為、業務の範囲など、法律に基づく基本ルール
業務の基本動作敬礼、立ち位置、巡回の手順、報告連絡相談の流れ
緊急対応の方法火災・不審者・災害発生時の初動対応、119番・110番への通報訓練
接遇マナー言葉遣いや立ち振る舞い、制服の着こなし、一般人との接し方
人権・個人情報保護差別の禁止、プライバシー尊重、暴力や強制の禁止といった倫理的観点の習得

これらはすべて、現場で警備員としての信頼を得るための「基礎力」として重要視されています。

実技訓練で行われる内容

教室内の座学だけでなく、実際の動作を身につけるための実技指導も行われます。特に以下のような内容が多く含まれます。

  • 正しい敬礼・立ち姿・歩行の練習
  • 出入管理の対応ロールプレイ
  • 巡回ルートの模擬訓練
  • 無線・インカムの使い方
  • 火災報知器や避難誘導灯の操作方法

身体で覚えるべき動作や対応が多いため、慣れないうちは戸惑うこともありますが、繰り返し練習することで自然と身につきます。

教育中に評価されるポイント

評価項目重視される内容
姿勢・服装制服の着こなし、靴の清潔感、髪型やひげなど身だしなみ
態度・表情元気な挨拶、笑顔、真剣な姿勢、質問への受け答え
理解力・集中力説明をきちんと聞き、指示通りに動けているか
積極性・意欲自ら練習に取り組む姿勢、他者と協力する姿勢

研修中の態度や表情は、現場配属後の評価にもつながることが多いため、真剣な姿勢を心がけることが大切です。

教育後のステップと現任教育

新任教育を終えた後は、実際の配属先にて現場研修を行いながら経験を積んでいくことになります。また、年に1回以上の「現任教育」も義務付けられており、知識と技術を継続的にアップデートする必要があります。

教育区分実施頻度内容
新任教育就業前に1回警備の基礎・法律・緊急対応の初習得
現任教育年1回以上法改正・現場対応・再確認の復習・強化

企業によっては、eラーニングや定期テストを導入して、教育の質を高めているところも増えています。

警備員の教育を通じて身につく力

  • 安全を守るための判断力と責任感
  • 礼儀・マナーを重視した接遇力
  • 緊急時に冷静に対応する実行力
  • チームワークと協調性
  • 観察力と報告能力

これらの力は、警備業務だけでなく、他の業種や日常生活においても役立つ普遍的なスキルです。

まとめ

警備員になるためには、必ず法定で定められた「新任教育」を受ける必要があります。この訓練では、警備員としての基本動作から法律、緊急対応、マナーまで、幅広い知識と技術が学べます。

未経験者でも安心してスタートできるよう丁寧に構成されているため、「警備の仕事が初めて」という方にも十分対応可能です。真剣に取り組むことで、自信を持って現場に立つことができるようになります。

警備の仕事を志す方は、まずはこの教育をしっかり受け、自分自身のスキルと意識を高めていきましょう。