警備員と警察官の違いは?仕事内容や役割の違いを解説

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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街中や施設でよく見かける警備員と警察官。どちらも「安全を守る人」というイメージがありますが、その役割や権限、仕事内容には明確な違いがあります。混同されがちですが、法律に基づく立場や行動範囲には大きな差があります。本記事では、警備員と警察官の違いをわかりやすく整理し、それぞれの社会的役割や具体的な業務内容について解説します。

警備員とは?

警備員は民間企業に所属し、企業や施設、個人の依頼を受けて安全を守る民間のセキュリティ担当者です。警備業法に基づいて活動し、私的財産や人の安全を保護するのが主な役割です。

項目内容
所属警備会社などの民間事業者
根拠法警備業法
権限法的強制力は持たず、指導やお願いが中心
主な業務施設警備、交通誘導、イベント警備、巡回警備、機械警備など

あくまで「民間の立場」で、依頼主のニーズに応じた予防型の業務を行うのが特徴です。


警察官とは?

警察官は国家公務員または地方公務員として任命された、法執行の権限を持つ公的機関の職員です。警察法に基づき、社会の秩序維持と犯罪の取り締まりを担います。

項目内容
所属各都道府県の警察・国家公安委員会
根拠法警察法、刑事訴訟法など
権限職務質問、逮捕、捜査などの法的強制力を持つ
主な業務犯罪捜査、交通取締、治安維持、災害対応など

法的権限と責任のもとに、事件対応から地域住民の生活支援まで幅広く活動しています。


警備バナー

警備員と警察官の具体的な違いとは?

比較項目警備員警察官
立場民間人公務員(国家・地方)
活動範囲施設内、契約現場が中心公道・公共の場所、全国
対応内容予防中心、安全維持犯罪対応、治安維持
使用できる手段原則として法的強制力なし職務質問・逮捕・武器携帯など可能
教育・訓練法定研修(新任・現任)警察学校での厳格な教育

両者は「安全を守る」という目的では共通していますが、行動の根拠や対応の範囲において本質的に異なります。


一緒に活動する場面もある

イベントや災害時には、警察官と警備員が連携して活動する場面もあります。ただし、責任の範囲や権限には明確な線引きがあります。

例:イベントでの連携

・警備員…混雑誘導、入場管理、施設内の安全確保
・警察官…不審者対応、事故や犯罪発生時の対応

現場の安全を守るには、双方の役割分担と相互理解が欠かせません。


警備員の仕事に求められるもの

民間とはいえ、警備員にも高い責任感と適正が求められます。

必要な資質内容
観察力不審な動きや異変を素早く察知する力
冷静さトラブル時でも落ち着いて対応する判断力
協調性チームや警察との連携を円滑に行うコミュニケーション能力

また、交通誘導警備業務検定や雑踏警備業務検定など、業務内容に応じた資格取得が昇進や待遇アップにもつながります。


まとめ

警備員と警察官はどちらも社会の安全を守る重要な役割を担っていますが、その立場や対応できる範囲には大きな違いがあります。警備員は民間の立場から予防的に安全を支え、警察官は公的な立場から法的手段を用いて治安を守ります。両者が役割を分担しながら連携することで、私たちの暮らしはより安全で安心なものになっています。それぞれの立場を理解し、正しく役割を認識することが、トラブルの防止と円滑な社会運営のカギとなります。