警備員になるためには身元保証人が2人必要?その理由と対応方法を解説

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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警備員として働くには、求人への応募や研修受講などのプロセスが必要ですが、その際に「身元保証人を2人立ててください」と言われて戸惑う方も少なくありません。なぜ身元保証人が求められるのか、本当に2人必要なのか、用意できない場合はどうすればよいのか。本記事では、その背景や対応策を詳しく解説します。

警備員に身元保証人が求められる理由

信頼性と安全性を担保するための制度

警備員は、人や財産の保護を任される職業であり、社会的責任が非常に重い仕事です。そのため、採用にあたっては「素行が良く、信頼できる人物かどうか」が重視されます。

身元保証人は、その人物の経歴や性格を保証する役割を持ち、「この人は信頼できる」と第三者が証明することで、企業側は安心して採用判断を下すことができます。

理由項目内容
高い倫理性が求められる職業警備員は顧客の敷地や財物に関わる業務が多く、トラブルが許されない職種である
事故・トラブル時の対応万が一の損害に備えて、身元保証人が一部責任を負うことがある
採用判断の基準の一つ人物評価や素行確認の一助として活用される

警備業法における法的な定め

実は「警備業法」において、身元保証人を必ず2人立てることを義務としている条文は存在しません。つまり、法的には絶対に必要というわけではありません。

ただし、警備業法施行規則では、「警備業者は警備員の採用時に、身元調査を行うこと」とされており、多くの警備会社はその手段として「身元保証書の提出」を求めています。

項目法的義務か?解説
身元保証人の提出義務ではないただし、多くの企業が採用基準として導入している
身元調査の実施義務(警備業法)警備員の信用性を確認する目的で、何らかの形で実施する必要がある
保証人の人数規定なし一般的には2人が望ましいとされているが、1人でも受理される場合もある
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なぜ「2人」が求められるのか?

  • 複数の第三者が保証することで、客観的な信頼性が高まる
  • 保証人のどちらかが対応できない事態に備えるため
  • 会社の内部規定として明文化されているケースが多い

中には、親族1名+友人1名、または両親などの組み合わせで指定している企業もあります。

身元保証人が用意できない場合の対応

状況対応方法・提案
両親が高齢または他界している親族(兄弟・姉妹・叔父叔母)や信頼できる知人を検討する
友人がいない・疎遠になっている前職の上司や同僚に相談してみる
保証人を立てられる人が誰もいない企業に事情を説明し、保証会社の利用や別の方法を相談する
書面のみで保証するのが不安企業によっては「在籍確認」「面談確認」などの追加対応が可能な場合もある

重要なのは、無断で保証人を立てずに書類を提出するのではなく、事前に企業側に相談する姿勢です。

身元保証書に記載される内容とは?

項目内容
被保証人の情報警備員本人の氏名・生年月日・住所など
保証人の情報保証人の氏名・生年月日・住所・職業・関係性など
保証内容損害発生時の補償範囲や、信義則に基づく監督責任
有効期間採用から○年間など、期間を明記するのが一般的(通常は3〜5年程度)
捺印実印または認印(企業によって異なる)

企業によっては保証内容を簡素化した「同意書形式」や、電子署名対応のフォーマットを用意している場合もあります。

警備員の仕事における「信頼」の重要性

警備員の仕事は、「防犯」「防災」「案内」「監視」など多岐にわたり、業務中の態度や責任感が求められます。そのため、採用時点で信頼できる人物かどうかを見極めるプロセスは、会社にとって非常に重要です。

身元保証人制度は、そうした信頼を可視化する一つの方法として機能しており、「信用される人材」であることを示す手段ともいえます。

まとめ

警備員として働く際に「身元保証人が2人必要」と言われるのは、多くの警備会社が「信用確認の一環」として導入しているルールであり、法律上の義務ではありません。ただし、警備業という職種の性質上、採用時に身元を確認する仕組みが必要とされているのは確かです。

保証人が用意できない場合でも、企業と相談しながら柔軟に対応することが可能です。まずは正直に状況を説明し、採用担当者と前向きなコミュニケーションを取ることが、就業への近道となるでしょう。