4号警備(身辺警備)の年収はどこまで伸びる?キャリアと資格で変わる収入差について解説

警備員
監修者
竹村 直浩

<経営管理のプロ・数多の組織経営>
会計事務所経験からキャリアをスタート。
約30年間にわたりデータベースマーケティング、起業のみらずBPO業務および新規事業の立案に従事。
現在は、自らが代表を務める会社の経営の傍ら、経営管理および新規事業立案等の業務委託を請け負う

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4号警備とは、警備業務の中でも「人」を直接守る身辺警護の仕事です。本記事では、そんな4号警備員の平均年収や給与水準の特徴、収入アップに必要な資格やスキル、そして将来的なキャリアの展望についてわかりやすく解説します。未経験からでも目指せるこの仕事の魅力と、実際の働き方について知りたい方に最適な情報をお届けします。

4号警備とは何か

4号警備は、警備業法に定められた4つの業務区分のうち、人の身辺を直接保護する専門業務です。施設警備(1号)や交通誘導(2号)とは異なり、「モノ」ではなく「人」を守ることが目的です。対象となるのは著名人や企業幹部、司法関係者、時にはストーカー被害者といった一般市民にまで及びます。

このため、単に体力や筋力に優れているだけでは不十分で、冷静な判断力、臨機応変な対応力、法令遵守の意識、そして強い責任感が求められます。警備対象者とのコミュニケーション能力も必要ですし、時には目立たず、時には毅然とした対応も必要です。業務の幅が広く、1人1人の判断が大きく影響するため、高い専門性と信頼性が要求される職業です。


4号警備の平均年収と給与相場

4号警備員の平均年収は、全国的に見て約300万円〜450万円の範囲にあります。一般的な警備業務と比較してやや高い傾向にあり、専門性が給与に反映されています。東京都心部や特別案件を多く扱う企業では、500万円以上の年収が提示されることもあります。

雇用形態年収の目安
正社員約350万〜450万円
契約社員約300万〜350万円
アルバイト時給1,200〜1,500円

正社員の場合、夜勤手当や資格手当、役職手当などが加算され、年間を通じて安定した収入が見込めます。対して、契約社員やアルバイトは案件ごとに報酬が変動しやすく、月によって収入差が生じやすいのが特徴です。


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年収を左右する主な要因とは

年収に影響する要因は複数ありますが、主に以下の4点が挙げられます。

  1. 地域差)東京都や大阪など都市部は案件が豊富で単価も高く、収入が増えやすい傾向。
  2. 勤務形態)夜勤・宿泊ありのシフトは手当が厚く、日勤のみより高収入。
  3. 経験と実績)年数を重ねるごとに重要案件を任されるようになり、単価も上昇。
  4. スキルと資格)語学力や護身術、応急処置技能などで収入差が生まれる。

これらを踏まえ、自分のキャリア設計に応じた働き方を選ぶことで、安定した収入とやりがいの両立が図れます。


所持しておきたい資格とその効果

資格を持っていることは、年収アップに直結する重要な要素です。特に4号警備においては、次のような資格が有利に働きます。

資格名概要年収への影響
警備員指導教育責任者(4号)管理職や教育係としての登用要件月収+1万〜2万円
ボディガード技能講習実戦的な護身・警護術の習得高難度案件の配属に有利
応急処置技能救命対応スキルの証明緊急対応時の加算評価あり

これらの資格は、スキル手当として基本給に上乗せされるだけでなく、案件単価の高い現場への優先的な配属にもつながります。


4号警備の将来性とキャリアアップ

4号警備の市場は拡大傾向にあります。ストーカー対策や女性警備員の需要増、著名人のプライバシー保護、イベントの大型化など、さまざまな分野で個人の安全を守る必要性が高まっているためです。

また、下記のようにキャリアアップの道も多彩です。

キャリア段階具体例目安年収
一般警備員現場対応中心300万〜400万円
チームリーダー複数人を統括400万〜500万円
教育責任者・管理職新人指導・現場統括500万〜700万円
独立・起業警備会社運営700万〜1000万円超

このように、長く勤めるほどスキルが蓄積され、それが報酬や地位に反映される業界です。特に独立を目指す場合には、法律知識や営業スキルも求められますが、それに見合った収入が得られる可能性があります。


働き方の柔軟性と生活スタイル

4号警備は24時間対応が必要な職種ですが、近年では「夜勤専門」「日勤のみ」「週3勤務」など働き方の柔軟性が進んでいます。とくに家庭と両立したい人や、体力的に無理をしたくない中高年層にも対応した求人が増えていることが特筆されます。

さらに、女性警備員が活躍する現場も増加中です。同性による警護を希望する被依頼者が多い背景から、女性ならではの気配りや柔和な対応が求められる場面も増えています。性別問わず、安心・信頼される存在であることがこの職業の根幹であるといえます。


向いている人の特徴と必要な資質

4号警備は、精神的・肉体的なバランスが求められる職種です。では、どんな人がこの職に向いているのでしょうか。

向いている人の特徴理由
判断力に優れている緊急時の冷静な対応が求められる
礼儀・マナーがある相手の信頼を得るために不可欠
観察力が鋭い危険の芽を未然に察知するため
健康管理ができる長時間勤務に耐える体力が必要

警備員といえば「力仕事」というイメージがありますが、それだけでは務まらない仕事です。むしろ「見えないリスクをいち早く察知し、的確に行動できる力」が求められる点が、この職種の本質といえるでしょう。


まとめ

4号警備は、高度な専門性と責任を持つ仕事でありながら、その努力が収入や評価に直結する職種です。年収は300万〜450万円が相場ですが、経験とスキルを積めば500万円以上も十分に目指せます。働き方の自由度や、将来的な独立も視野に入れられる点で、非常にポテンシャルのある仕事といえるでしょう。

性別や年齢に関係なく活躍できる場があり、社会的意義も高いこの職業は、安定とやりがいの両方を求める人にとって最適な選択肢です。これからのキャリアを本気で考える人にとって、4号警備は間違いなく有望な道のひとつです。